おすすめアルバムを紹介していくこのコーナー。今回はクイーンの一つのターニングポイントともいえるこの一枚。「ザ・ゲーム」です。バンドとして初めてシンセサイザーを導入したほかにも、「愛という名の欲望」、「地獄へ道づれ」という2曲の全米ナンバーワンも誕生し、サウンドとしても世界におけるバンドとしての貫禄も1ステージ上がった作品。
トラックリストがこちらです。
- Play The Game
- Dragon Attack
- Another One Bites The Dust
- Need Your Loving Tonight
- Crazy Little Thing Called Love
- Rock It (Prime Jive)
- Don’t Try Suicide
- Sail Away Sweet Sister
- Coming Soon
- Save Me
フレディ作、冒頭からいきなりシンセサイザーの「プレイ・ザ・ゲーム」から始まります。ちなみにこの曲のビデオからフレディは口ひげを生やし始めます。
ブライアンがドラゴンの鳴き声を奏で、ジョンのベースラインもかっこいい「ドラゴン・アタック」に続いてジョン作の名曲「地獄へ道づれ」です。シックなどブラックミュージックの要素を強く取り込んだ作品でブライアントロジャーには特に不評でした。が、マイケル・ジャクソンの勧めでシングルカットしたところ、バンドにとって2回目の全米一位に輝きました。
同じくジョン作の謎邦題でおなじみ、キャッチ―な「夜の天使」に続くのはフレディが自宅のお風呂で3分で作ったという伝説もある「愛という名の欲望」。ロカビリー風のシンプルな曲調で初の全米一位になりました。ライブでは唯一フレディがギターを弾く楽曲です。ミュージックビデオ後半の床から突き出る手拍子はスタッフの手で、ずっと手を突き上げて手拍子をしているのはだいぶつらかったそうな。
B面一曲目はフレディとロジャーがリードヴォーカルを取る「ロック・イット」。続いてフレディ作の「自殺志願」。歌詞の内容は「自殺なんてしょうもないことするなよ」というような内容の自殺防止ソング。ライブで演奏されることはなかったそうです。
ブライアンがリードヴォーカルの「スウィート・シスター」。個人的にはこのアルバムの中でも結構好きな部類に入る曲です。ガンズ・アンド・ローゼズのライブでカバーされました。
「ジャズ」の頃にはもうあったという「カミング・スーン」、アルバムの最後を飾るのは「セイヴ・ミー」です。「愛という名の欲望」に続いてのリードシングルでした。ブライアン作で、楽器の演奏もほとんど彼によるものだそう。ライブでもよく演奏され、バラードながら盛り上がる曲のうちの一つです。
バンドのメンバー4人が2曲か3曲づつ出し、サウンドの要素という面でもバランスのいい作品になっています。この作品に続く「フラッシュ・ゴードン」での大々的なシンセサイザーの使用、ひいては「ホット・スペース」での挑戦への布石となった中期クイーンをある意味示すような作品です。ぜひ一度通して聴いてみてください。
それでは、また。